名作映画を舞台化した宝塚歌劇のミュージカル「ローマの休日」は30日、大阪・梅田芸術劇場公演がスタートした。主演の雪組トップスター早霧(さぎり)せいなの掛け声で満席ファン、出演者らが一体となった「ベスパ」ポーズで、大阪公演の開幕を祝福した。

 同公演は5月半ばからけいこを始め、本拠地作合間の舞台としては異例の名古屋、東京、大阪と3都市で公演が行われた。6月からの名古屋、東京と終え、大阪公演がラスト。早霧は「けいこ始まって2カ月半。ここまで、長かったね~。ローマは1日にしてならずってことわざ、ありますけど、付け加えさせてください! 『ローマの休日は1日にしてならず』!」と叫んだ。

 早霧といえば、タカラジェンヌらしからぬ“熱さ”も魅力のひとつ。劇団屈指の美形のルックスとは裏腹な熱血体育会系の“空回り”キャラも、ファンの間で支持が高い。この日も「あれ? 皆さん、ついてきてます?」「お前が一番落ち着けよって感じですか?」とハイテンションであいさつを続け、締めが「ベスパ」ポーズだった。

 3回目のカーテンコールで、早霧が呼び掛け「みんなでベスパ!」。客席のファンも座席で体を横にして、腕を突き出し、収容1905席ほぼ満席のファンが一緒に「ベスパ」ポーズで盛り上がった。

 早霧はトップ就任後、「伯爵令嬢」「ルパン三世」「るろうに剣心」と著名作の原作公演を成功させてきた。今回はローマを舞台に、新聞記者ジョー・ブラッドレーとアン王女のつかの間の恋を描いた不朽の名作をもとにした作品に臨んでいる。

 8月15日まで、同劇場で上演される。