サリドマイド薬害を克服した実在の女性を主演で起用し、その半生を描いた「典子は、今」(81年)などヒューマニズムな作品で知られる、映画監督で脚本家の松山善三(まつやま・ぜんぞう)さんが8月27日午後8時41分、老衰のため東京都港区の自宅で亡くなった。91歳。女優高峰秀子さん(享年86)の夫だった。

 「典子は、今」に出演した白井のり子さん(54)が、ブログを更新し、松山監督を悼んだ。白井さんは、「突然、自宅へやってこられ、『あなたの映画をつくりたい』、ほんとうに驚きました。あれから、もう35年になります。『あなたの映画で、元気になる人がいっぱいいる』。そんなふうに励まされながら無我夢中でした」と当時を明かした。「監督は、今、デコさん(高峰秀子さん)と再会していらっしゃるでしょう。 ほんとうに、ほんとうにお疲れさまでした」とつづった。