ヒット中のアニメ映画「君の名は。」(新海誠監督)が、22日現在で興行収入100億円を突破し、100・8億円となった。配給の東宝が23日、発表した。日本のアニメ作品の100億円突破は、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞した「千と千尋の神隠し」(308億円)など過去に5作あるが、宮崎駿監督のスタジオジブリ作品以外では初めて。今年の日本公開作品では、実写も含め初の100億円突破で、観客動員も774万人に伸ばした。

 「君の名は。」は、圧倒的な映像美と、高校生同士の時空と場所を超えた切ない恋愛模様が共感を呼び、先月26日の公開から28日間で大台に到達した。作品の世界観を再現したロックバンドRADWIMPSの楽曲も人気で、ロケ地にもなった岐阜・飛騨市図書館は多くのファンが「聖地巡礼」と称して訪れるなど、話題になっている。新海監督は日刊スポーツの取材に「口コミで広がったという速度、(動員)人数ですし、若い人を中心に『こういうものを見たい』という飢餓感のようなものがあったのでは」と分析した。

 作品は世界89カ国・地域での公開が決まっているほか、スペインのサンセバスチャン映画祭での公式上映、韓国の釜山映画祭への出品が決定しており、「君の名は。」フィーバーは世界へ広がりそうだ。