作詞・作曲家の中村泰士氏(77)が8日、大阪市内で発案・企画した「カラオケレインボー 1万人の歌謡曲」(4月9日、大阪城ホール)の発表会見を行い、各所で問題が噴出している著作権料に言及。「個人的には音楽をビジネスの材料にするなら、使用料を払って下さいというのがスタンスです」と語った。

 楽曲の著作権料をめぐっては、今月2日に日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽教室での演奏についても著作権料を徴収する考えを示すなど、意識が高まっている。

 このことから中村氏は「作家として、著作権に守っていただいた面がある」とし「今回の件では(著作権料を)徴収されることは悪いことではないと思う。(音楽学校の)教材に取り上げられるほどの作品ならば、作家は徴収を望まれると思います」と続けた。

 喜寿を迎えても「ますますやる気が盛り上がっている」という中村氏は、作家としての見識を示しつつ、一方では「大阪に帰ってきて、大阪を歌謡曲の聖地にしたいという思いが強い」と熱い気持ちも吐露。一昨年末、佐渡裕氏が指揮する「1万人の第九」リハーサルを見学し、歌謡曲でもやってみたいと考えた。

 企画を進め、今春やっと実現が決まり、観客参加型のコンサートとして準備を進めている。すでに大阪を中心に、音楽教室へ自ら足を運び、参加を勧誘。「歌謡曲は、歌詞を見ずに歌える気持ちよさがある。心ある旋律を皆で歌えばドラマが生まれ、感動できるはず」と話している。

 イベントは2部構成。1部はゲストの小柳ゆき、夏川りみらによるライブ。2部は中村氏がオーケストラを指揮し、総勢1万人で合唱する。合唱曲は、中村氏作曲の「喝采」や、「いい日旅立ち」「365日の紙飛行機」など、世代にとらわれないポピュラー楽曲を用意している。