「シンゴジラ」で最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞した樋口真嗣監督(51)が授賞式後、囲み取材に応じ、欠席した庵野秀明総監督(56)から“らしい”お祝いメールが届いたと明かした。

 樋口監督は、庵野総監督に受賞の連絡をしたか聞かれると「しました。(反応はメールで)1行だけ『おめでとう』と…ただ、上から花吹雪が落ちてくるヤツ(絵文字)にはなっていました。1行ですけど、花吹雪が落ちてきて(スタッフ)みんなで見て、ホッコリしまして」と言い、笑った。

 特撮、しかも怪獣映画で作品賞を取った要因は、どこにあったかと聞かれると、胸を張って次のように答えた。

 何だろうな…もしかしたら、自分たちが1番、怪獣映画を作っているつもりでは、なかったのかも知れませんね。怪獣映画だから、こうしよう…ということじゃなく、一般映画として作って、それに恋愛だったり、犯罪だったりと同じように、事件として怪獣が現れるとなったら、どういうふうに構築していくのかなと考えた。意識としては、怪獣映画だから、今までこうやっているから、こういうふうにしよう…ということを1回、全部リセットした形でやらせていただきました。

 受賞の喜びは、ひとしおだったようで「もらえるとは思っていなかったので、ここに来られただけで十分、幸せ。あまり幸せになれていないので…反動が怖いんで。昨日、サウナから転落して、それで多分、いろいろツキが…」と言い、苦笑した。

 「シンゴジラ」は最優秀作品賞と最優秀監督賞のほか、最優秀美術賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞と、正賞15部門のうち、最多となる7部門で最優秀賞を受賞した。【村上幸将】