香港映画界のレジェンド俳優サモ・ハン(65)が6日、東京・新宿武蔵野館で行われた監督、主演映画「おじいちゃんはデブゴン」(5月27日公開)来日舞台あいさつに登壇した。

 サモ・ハンは壇上に立つと、手を振りながら客席に「男前ですか?」と呼び掛けた。拍手を浴びると「ありがとうございます。皆さんの応援に感謝します。この映画がヒットすれば、また新しい映画を作って、皆さんのところに来ることができます」とアピールした。

 映画のプロモーションとしては11年ぶりの来日で、今回の舞台あいさつのチケットは即完売したという。客席のファンの中には、泣きだす女性も少なくなかった。サモ・ハンは「日本には長い間、来ていなかったんですけど、日本のことが心にあって(香港では)日本料理ばかり食べに行っているんですよ。日本の人はプロフェッショナルで真面目なので、いい印象を持っています。ぜひ日本で、また映画を撮りたいと思っています」と約束した。

 サモ・ハンは劇中で、中国マフィアとロシアマフィアの抗争に巻き込まれた隣家の父娘を救うため、長年鍛え抜いた必殺拳の封印を解いて悪を打倒する、認知症気味の元退役軍人を演じた。監督作としては、97年「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」以来20年ぶり、監督兼主演としては金城武も出演した95年の「死角都市香港」以来22年ぶりの作品となった。

 サモ・ハンは「アクション監督はやっていたけれど、監督はやっていなかった。最初、脚本を読んだ時はアクションが少なく、増やして今回の映画を作った」と製作の経緯を説明した。そして「一番こだわったのは、どう相手の腕を折ろうかというところ。要人を警護する人という設定なので、相手を殺すことは考えていない。2度と攻撃できないようにするには、骨を折って動けなくする、というリアルな発想があり、この映画を設計したんだ」と説明した。今夏には新作の撮影に入るという。【村上幸将】