NHKの子ども向け番組「おかあさんといっしょ」の元「歌のお兄さん」で、昨年4月に覚せい剤取締法違反で逮捕され有罪判決を受けた杉田あきひろ氏(52)が、薬物の恐怖について語った。

 7日放送のAbemaTV「AbemaPrime」は薬物問題を取り上げ、ゲスト出演した杉田氏は自身の経験を語った。覚せい剤に初めて手を出したのは20代の頃だったという。友人から勧められ、それが違法薬物だという認識がないまま興味本位で使用。「びっくりするくらい気持ちよかった」と、その快感が忘れられなくなったと語った。

 その友人が後に逮捕され、入手方法がわからなくなったことで一時は薬物を止めることができたが、「歌のお兄さん」を辞めた後の2005年に訪れたバリ島で売人から声を掛けられると、「一瞬にして脳からヨダレが出る感じ」がしたという。「一度(薬物による快感を)知ってしまった脳っていうのは、普通の方の脳とは全く別のものになっているんです。普通の人に白い粉を見せてもなんとも思わないじゃないですか。僕たち経験者が見ると、脳からヨダレが出て、本当に鳥肌が立って、フラッシュバックじゃないですけどあの感覚がよみがえるんですよね」と薬物の依存性について語った。

 杉田氏は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を受け、現在は薬物依存者の回復支援施設「長野ダルク」で回復プログラムに取り組みながら薬物乱用を防止する啓発活動も行っているという。「僕たち経験者が薬物を使ったことによってどんな人生(を送って)何を失ったか、どんなクズになってしまったかっていうことを生の声で伝えないと」と語った。