日大出身の俳優和田正人(38)が、アメリカンフットボールの悪質タックル問題渦中にある母校の対応を批判し、「世論というメディアが憤りを覚える意味をいま一度考えて欲しい」と呼びかけた。

 大学時代は陸上競技部に所属し、箱根駅伝でも活躍した和田。22日に、悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた日大アメフト部の選手が謝罪会見を行った際にはツイッターで「日大アメフト部員の記者会見。見てたら涙が出てきた。彼に対する不憫な想いなのか。それとも我が母校への腹立たしさなのか。あー。くそ」(原文まま)と複雑な思いをつづっていた。

 当該選手の会見では、監督やコーチから反則行為の指示があったことなど次々と事実が明かされた。しかし日大広報部はこの会見後、報道関係に宛てたファクスで「コーチから『1プレー目で(相手の)QBをつぶせ』という言葉があったことは事実です。ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で、『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います」などと弁明した。

 和田は再びツイッターを更新し、「広報部の文章内容も驚愕だがそのスタンス。私たちテレビに出るような人間でも、足が震えるような記者会見という場に、20歳の若者が勇気を持って立った事に対して、組織としての対応が会見ではなく文章での応え」と、母校に不信感をにじませ、「世論というメディアが憤りを覚える意味をいま一度考えて欲しい」と、真摯(しんし)な対応を求めた。