KinKi Kids堂本光一(39)が帝劇の伝説を作る。28日、主演ミュージカル「ナイツ・テイル-騎士物語-」(東京・帝国劇場)が前日27日に開幕したことを受けてダブル主演の井上芳雄(39)らキャストとともに、取材に応じた。4月まで上演した主演舞台「Endless SHOCK」から足かけ4カ月間、帝国劇場を“ジャック”する。

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 堂本は2~3月の「SHOCK」に続いての主演舞台上演だ。先月から今月下旬まで行った帝国劇場のリニューアル工事が明けて、最初の公演でもある。「帝劇というところは神聖な場所。本当に光栄です。すばらしい先輩方が作り上げた劇場だというのを忘れないようにしたい」と喜びをかみしめた。

 井上からは「4カ月って、もう住んでいるみたいなもんですよね。家賃払ったほうがいい」と言われ、「そうね」と笑っていた。

 同一俳優が1年の帝国劇場のラインアップを4カ月以上単独主演するのは、92年に「ミス・サイゴン」を半年間上演した市村正親(69)以来。過去にも森繁久弥さん、二代目松本白鸚(9代目松本幸四郎)しか例がなく、4人目の快挙となる。

 堂本は「僕なんかが偉大な方々の名前に並ばさせていただくのは恐れ多い」と恐縮し、「僕にとってはすばらしい挑戦とご褒美。期待を裏切らないものをお客様に届けなきゃいけない」と気を引き締めた。

 初共演の井上との仲の良さも見どころの1つだ。良きライバルで親友のいとこ同士で、1人の女性を巡って争う役どころ。ヒロイン役の音月桂(38)から「お稽古中から光一さんと芳雄さんがラブラブだった」と明かされた。今月25日のプレビュー公演では、抱擁シーンで顔を寄せる位置を誤りキスしてしまうハプニングもあった。

 光一は「芳雄くんも言ってくれているんですけど、1人で主演する時とは違って、しんどいことは2分割、喜びは2倍になる」と信頼を明かした。

 井上からは「当たり前ですけど、光一くんは立派なミュージカル俳優ですし、スター。新しい挑戦をみんなに見せてくれる」と絶賛された。チケットは即日完売で、シリーズ化も期待される。「どういう形か分かりませんけど、そう(シリーズ化に)なればすてきですよね」。“帝劇のスター”は前向きに先を見据えている。【横山慧】

 ◆「ナイツ・テイル-騎士物語-」 シェークスピア「二人の貴公子」を、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の演出などで知られるジョン・ケアード氏が新たな脚本、演出でミュージカル化。テーベの騎士アーサイト(堂本)とパラモン(井上)が敵国アテネにとらえられ、同時に1人の女性に恋に落ちる。上白石萌音、岸祐二、大澄賢也らも出演。堂本と井上は今秋放送のNHK「SONGS」にも出演し、舞台の映像を公開する。