山田洋次監督(86)が11日、東京・池袋の新文芸坐で「第7回新藤兼人平和映画祭」に出席し、トークショーを行った。

 中学2年で終戦を迎え、54年に松竹大船撮影所に入り、社会を見つめ続けてきた山田監督は「60年代から70年代にかけての日本は元気があった。若者がものすごいバイタリティーを持ってたことも含めて、日本は元気があった」と振り返った。

 さらに「政府にいろんな問題起きるけど、学生はうんともすんとも言わない。50年前だったら学生は大デモンストレーション起こしてる。東京医科大が女性の点数を減らしたなんていうばかなことが起こって、日本中の大学がストライキを起こしてもおかしくないんじゃないかと思う。怒るべきことがいっぱいあるのに、怒らなくなってしまった」と、危機感を募らせた。

 この日は山田監督の「母と暮せば」(15年)、新藤監督の「さくら隊散る」(88年)が上映された。