8月4日に死去した津川雅彦さん(享年78)と4月27日に死去した朝丘雪路さん(享年82)の合同お別れ会が21日、東京・青山葬儀所で営まれた。

津川さんの友人で俳優の奥田瑛二(68)が弔辞を読んだ。

祭壇を見上げて一礼すると「神妙になりましたが、役者ですからパッと明るくと思っております」と切り出した。

訃報を聞いた時を振り返り「ぼうぜんとしました。死んでいないと思って携帯に電話をしたら、通じました。『もしもし』と(娘の)真由ちゃんの声がして、あちゃー、やっぱりそうかと。5分くらいしてたまらなくなって、電話を切りました」と悲痛な思いを語った。

友人としての交流については「楽しいこともありましたが、けんかもしました」。熱く芸術論を交わしたことを振り返ると、津川さんのモノマネを交えながら「『芸術至上主義なんてくそ食らえだ、青二才!』と言われて、涙が流れました」と懐かしんだ。

津川さんは人生観について「この世は“ワンダー”、それが“フル”なんだよ。俺は“ワンダフル”で役者をやっている」と語っていたといい、「残された我々後輩にそれが伝わったのか聞きたかったけれど、幽霊としても出てくれない。微力ながら精進していきたい」と話した。

まもなく迎えるクリスマスに触れ「津川さんはみんなのサンタさんです。そしてみんなのグランパ。みんなのおじいちゃん、先輩と思っております」。津川さんと朝丘さんが並んだ遺影を見上げると「朝丘さん、お話聞いていましたか? 雅彦ちゃん言うこと聞いてくれない?」と笑みを浮かべながら呼び掛け、最後は「津川さん、またお会いする日まで」と締めくくった。