俳優佐藤健(30)主演の映画「るろうに剣心」(大友啓史監督)シリーズ最終章となる2作が20年夏に連続公開されることが11日、分かった。同シリーズで佐藤は、幕末に「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客、緋村剣心を演じている。

今回の2作は、これまでに語られることのなかった剣心のほおにある十字傷の謎に迫る物語と、「京都大火編」で登場した宿敵・志々雄真実(藤原竜也)を裏で操るシリーズ最恐の敵・縁(えにし)との戦いを描くものとなる。それぞれのタイトルは後日発表予定。

同シリーズについて「やはり特別な思いがあります」とし、「この2作は剣心にとって間違いなく一番重要なエピソードです。僕自身が絶対に作りたいと思っていたエピソードを撮影できる毎日を通して、これが自分にとって最も大切な作品になると実感しています」と話した。

大友監督は「今回描く物語は、ファンの方が一番大事にしているエピソードだと思いますし、初めて『るろうに剣心』を見る方にも届くような深い物語でもありますので最終章は気合を入れなおし、今全身全霊で挑んでいます」とコメントした。

幕末期と明治維新後を描く同作だが、撮影も平成から令和と2つの時代にまたがる。昨年11月にクランクイン、5月までの約7カ月におよぶ撮影となる。

新元号施行直前の発表となり、佐藤自身も今年3月に30歳になった。「日本が新しい時代に入り、僕も新時代に突入します。『新しい時代を作るために自分も生きていく』ということを今感じています」。

大友監督は「時代が大きく動くときは、人間の感情も大きく動く。だからこそ、そこにおもしろい作品が生まれます。剣心が不器用ながらも新しい時代にふさわしい生き方を模索していくその姿は、時代をこえて現代の方にも共感してもらえると思います」とした。

剣心が願う「誰もが平和に暮らせる時代」。自らが思い描く新時代にふさわしい生き方を、不器用にもがきながら模索する剣心の最終章に自らを重ね合わせ、佐藤が演じ切る。

◆るろうに剣心 和月伸宏氏による剣客漫画で94~99年の約5年間、「週刊少年ジャンプ」で連載。17年9月から続編「同-明治剣客浪漫譚・北海道編-」が「ジャンプスクエア」で連載中だ。映画は「るろうに剣心」(12年8月)「同京都大火編」(14年8月)「同伝説の最期編」(同9月)の3作を公開。累計興行収入125億円以上、観客動員数980万人を突破。また。小説化やアニメ化などさまざまなメディアミックスが行われている。