宝塚歌劇団は27日、公演関係者13人が新型コロナウイルスに感染し、兵庫県からクラスター(感染者集団)と判断された宝塚大劇場での花組公演について、9月3日から公演を再開すると発表した。ステージと客席の間のエプロンステージ「銀橋」の使用を取りやめるなど、演出法を再考して再開する。

本拠地の宝塚大劇場での花組公演「はいからさんが通る」は、体調不良者が出た8月2日以降、取りやめた。その後、PCR検査で陽性が確認され、全出演者を対象に順次、同検査を実施したところ、感染の拡大も明らかになった。このため、中止期間を当初の「16日まで」から「31日まで」に延長。今回、9月1日公演までに中止期間を延長し、2日の休演日をはさんで、3日から再開する。公演は5日まで。

また劇団では、再開にあたって、感染予防のための「さらなる取り組み」を発表。公演関係者にはこれまで通り毎日の検温、体調報告に加え、定期的なPCR検査の実施を行い、体調管理を徹底する。

また、再開後はオーケストラ演奏を録音にしたり、出演者も従来比約2割減に絞るなど、対策を施してきたが、本公演とは別途の配役となる各組の新人公演も取りやめる。

加えて、宝塚大劇場、東京宝塚劇場での販売座席数、種類についても再考。「政府や自治体のガイドラインに基づき、座席の最前列席は舞台前から十分な距離を取り、また、感染予防に対応した座席配置を行っておりますが、改めて各地域の状況や管轄の保健所のアドバイスも踏まえながら、劇場ごと・公演ごとに販売座席を決める」とした。

すでにチケット販売済みで再開する花組公演については、銀橋の使用をやめ、出演者と客席の距離を確保する。今後の演出については「十分なソーシャル・ディスタンスがとれるよう努めていきたい」とし、銀橋を使う場合は、チケット販売列を後方にずらすなど、検討を重ねていく方針だ。