宝塚歌劇団の花組公演「忠臣蔵ファンタジー『元禄バロックロック』」「The Fascination! -花組誕生100周年 そして未来へ-」が6日、兵庫・宝塚大劇場で開幕。花組トップ柚香光(ゆずか・れい)が、2人目相手娘役に迎えた星風まどかとの新コンビで、本拠地お披露目を迎えた。

芝居は、忠臣蔵を軸にしたファンタジー作。国際都市のエドを舞台に、元赤穂藩藩士のまじめな時計職人クロノスケが、時を戻せる時計を得たことで、人生が一変。元赤穂藩家老クラノスケ(永久輝せあ)から、主君タクミノカミ(聖乃あすか)のかたき討ちへ協力を頼まれるが乗り気にならず。だが、コウズケノスケ(水美舞斗)の隠し子キラ(星風まどか)の存在を知り、動く。

柚香は、ファンタジー要素が強いゆえ「自由に役を作りたい」と言い、稽古を重ねてきた。

ショーは、初の花組公演から100周年記念作で、メモリアル色が満載。「すみれの花咲く頃」のアレンジで進む中詰めから、100年史オマージュへ。「Exciter!!」「ラ・ラ・フローラ」など花組名曲メドレーもある。

花組名場面のダンスナンバーに臨み、柚香は開幕前の取材で「心臓が口から出そうなぐらい。この場面を汚してはいけない。心して挑みたい。格、質を、落としてはならない」と言い、稽古から緊張感を持って備えてきた。

花組は前作本拠地作で、トップ娘役だった華優希、柚香にとって先輩の瀬戸かずやらが退団。トップ柚香を同期の水美舞斗と、進境著しい永久輝せあが固め、若手スター聖乃あすかの注目度も増した。相手娘役にはダンサーの星風を迎え、下級生時代から圧倒的なダンス力を誇ってきた柚香の個性がより際だってきた。

新生花組のスタートにあたり、初日前日の5日に行われた通し舞台稽古を無事に終えた際、柚香は「念願の完走を願い、1回1回を勤めて参りたい」との思いも口にし、船出を迎えた。

宝塚大劇場は12月13日まで。東京宝塚劇場は来年1月2日~2月6日。