宝塚歌劇団の雪組若手スター縣千(あがた・せん)が14日、兵庫・宝塚バウホールで、同劇場初主演作「Sweet Little Rock ’n’ Roll」の初日を迎えた。25日まで。

縣は15年入団の101期生。「ダイキン工業」の「エアコン うるさらX」CMに出演する5人のうちの1人で、25年大阪・関西万博公式アンバサダーのメンバーでもある。

目鼻立ちのはっきりしたルックス、172センチ長身で男役として恵まれた体格から、早くに注目。期待のスターも、今春で新人公演(入団7年目まで)卒業を控える。そのタイミングで、新人からバウへと次のステップへ踏み出し、バウホールのセンターに立った。

今作の脚本&演出は中村暁氏。シェークスピアの「から騒ぎ」をもとに、舞台を1950年代のアメリカに移し、高校に通う若者の恋愛模様を描く。縣がハイスクールの転校生ビリーにふんし、クラスメートのシンディーと、けんかを重ねながらも互いに恋心に気づく。ヒロインのシンディーは夢白あや。

今作千秋楽後の26日付で月組に移る彩海(あやみ)せらは、まじめなクラスメート役に臨み、伸びやかな歌声を響かせた。彩海が夢中になるメアリーには、105期首席入団の3年目、音彩唯(ねいろ・ゆい)。ロックの警戒なリズムにのり、縣率いる若手中心の選抜約30人は、歌にダンスに躍動。フィナーレでは、縣がセンターに立ち男役群舞でも魅了している。

縣は前日13日夜に通し舞台稽古を終え「初日から千秋楽まで、けがなく、体に十分気をつけて頑張ります」と宣言。異動前最後の作品になる彩海は「今もまだ緊張感はありますが、明るい作品を見て、明るい気持ちでお客様に笑顔で帰っていただけるように、千秋楽まで駆け抜けたい」。ヒロインの夢白も「全力で務めて参ります」とコメントした。

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◆ダイキン「うるさらX」 前任の前月組トップ珠城りょう退団にともない、昨秋から花組の聖乃あすか、月組の風間柚乃、星組の極美慎、宙組の風色日向と、雪組の縣の5人が新キャラクターに抜てきされ、CM放送されている。

また、この5人は「2025年日本国際博覧会アンバサダー」として、大阪・関西万博に関連するイベントへ出演することも決まっている。