夫とともに覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪に問われた女優酒井法子(本名高相法子)被告(38)は26日、東京地裁(村山浩昭裁判官)の初公判で起訴内容を認め、「夫から勧められ、わたしの意思で使用した。大変軽率な行為でした」と述べた。

 検察側は「著名芸能人である被告が、社会にあまりにも大きな悪影響を及ぼした」と懲役1年6月を求刑。弁護側が刑の執行猶予を求め即日結審した。判決は11月9日。

 傍聴希望者は、一般傍聴20席に対し約330倍の6615人。地裁の刑事裁判傍聴希望者数としては、1996年のオウム真理教の松本智津夫死刑囚(54=教祖名麻原彰晃)の初公判(1万2292人)に次ぐ歴代2位で、倍率は過去最高。

 最終意見陳述で酒井被告は「世間をお騒がせし、多くの方にご迷惑をかけ、本当に申し訳ありませんでした。2度と覚せい剤を使用せず、信頼を取り戻せるようがんばります」と謝罪した。

 弁護側の被告人質問で、酒井被告は夫高相祐一被告(41)との今後の生活について「離婚して更生する努力が必要だと思います。(継母らに)本当に申し訳なく情けない気持ち。必ず覚せい剤をやめ、介護の仕事を勉強したい」と答えた。

 検察側の被告人質問には「4年前、夫に『スッキリするもの』と勧められ、好奇心から使った。昨年夏から、疲れたとき月1~2回は使い、昨年暮れには夫と『やめようね』と話したが、やめられなかった。逮捕されなければ使い続けたかもしれない」と説明。逮捕前に姿を隠していた理由は「体から覚せい剤を出そうとした」とし、発覚を免れるため逃走したと認めた。

 裁判官の質問に対しては、覚せい剤を夫に要求したことがあることも明らかにした。

 検察側冒頭陳述によると、酒井被告は7月30日ごろ、家族で皆既日食を見るために訪れた鹿児島県・奄美大島のホテル客室で覚せい剤を1人で吸引。8月3日には都内の自宅で約0・008グラムを所持した、としている。

 9月17日に保釈され、今月1日まで都内の病院に入院。現在は千葉県内の知人宅に住んでいる。

 夫の高相祐一被告(41)は懲役2年を求刑され、判決は11月27日。

 [2009年10月26日22時35分]ソーシャルブックマーク