人気アイドルグループ、AKB48が24日、中国・上海市で公演を行った。メンバーらは無報酬で出演し、東日本大震災での中国からの支援に謝意を表した。ファンらは歌に合わせて絶叫。ただ、会場となった大学構内は厳重な警備が敷かれ、公演を見られなかったファンからは不満の声も上がっていた。

 この公演は、日本の若者文化を紹介する行事「上海ジャパンウイーク」の一環。16人が出演し、約1300人の観客を前に約1時間30分にわたり人気曲を披露した。多くのファンが曲を熟知しており、絶妙のタイミングで合いの手の掛け声を叫んだ。

 高橋みなみ(20)は、震災について「たくさんの人が支援してくれました。日本は前を向いて歩き出しています」と話すと、会場から日本語で「頑張ってください」との声が飛んだ。

 AKB48は、中国で少人数での公演は行ったことがあるが、本格的な公演は初めて。大学生の趙怡波さんは「言葉にならないくらい楽しかった」と興奮気味だった。

 震災支援に感謝を示すため、入場券は事前に上海の日本総領事館のホームページなどを通じて無料で配布。ただ、入場できなかったファンのために予定されていた、会場そばの大型画面中継は警備の都合で中止に。北京などから来たファンは「画面で見るだけでもと思って上海まで来たのに」と憤っていた。

 高橋は公演後「(観客が)すごく温かかった。すぐにでもまた来たい」と話した。AKB48は今後、関連商品の販売店を開くなど、中国進出を強化する。