米国の人気女性歌手レディー・ガガがインドネシアの首都ジャカルタで6月3日に予定しているコンサートについて、一部のイスラム法学者や強硬派が「肌を過度に露出する衣装やセクシーなダンスは不道徳だ」と反発。警察当局も16日までに開催許可を出さない方針を固めつつあり、公演が中止になる可能性が高まっている。

 世界最多のイスラム教徒が住むインドネシアでは近年、一部の強硬派の排他的言動が目立つ。今回も「公演は力ずくで阻止する。ガガが来ればトラブルが起きるだろう」(強硬派「イスラム防衛戦線」幹部)など過激な発言が出ていた。

 イスラム法学者らでつくるインドネシア・ウラマ評議会の幹部の1人は3月、ガガのパフォーマンスは「ハラム(イスラム教で禁じられた行為)だ」と指摘した。

 ガガは、インドネシアでも若者を中心に高い人気を誇っており、既に3万枚超のチケットが売れたという。

 インドネシア大学のパウルス・ウィルトモ教授(社会学)は「政府は表現の自由を守るべきで、警察は圧力に屈せず、公演を許可すべきだ」と話した。