在京民放キー局5社の2012年3月期連結決算が16日出そろい、売上高は5社とも増収となった。東日本大震災の影響で、年度当初は主力のテレビ広告収入が低迷したものの、夏以降は番組と番組の間に流すスポット広告を中心に持ち直しに転じた。

 全日、プライム、ゴールデンの各時間帯で11年度視聴率が首位となった「3冠」の日本テレビ放送網は、売上高が前期比2・5%増の3054億円。テレビ朝日も1・9%増の2398億円だった。フジ・メディア・ホールディングスは0・7%増の5936億円。

 純利益は、前期にBSジャパンなどとの経営統合で特別利益を計上、反動減となったテレビ東京ホールディングスを除く4社が前年を上回った。

 フジは、東北などのフジテレビ系列局9社を持ち分法適用会社とした際、株式取得額が純資産額を下回ったため「負ののれん発生益」が生じ、純利益は約6・1倍の612億円となった。TBSホールディングスも横浜ベイスターズの株式譲渡で特別利益を計上し、前期の1億円から116億円への大幅増益となった。

 13年3月期連結決算は5社が増収、フジとTBS以外の3社が増益を見込んでいる。