藤原竜也(31)主演の舞台「ムサシ」が27日、埼玉県彩の国さいたま芸術劇場で初演を迎える。稽古を終えた藤原と共演の溝端淳平(24)が心境を語った。

 巌流島の戦いから幕を開ける「ムサシ」は故井上ひさしさんの脚本を元に蜷川幸雄さん(77)が演出。10年のロンドン、ニューヨーク公演でも高く評価されている。

 初演から武蔵役を務める藤原に対し、佐々木小次郎役で初参加の溝端は時代劇も初挑戦となる。

 溝端は「小栗旬さん(初演の小次郎役)の舞台を見て圧倒された覚えがあります。(7月から)殺陣や所作の勉強をしてきましたが、先輩たちについて行くのがやっとです」。

 対して藤原は「蜷川さんの言葉を借りれば、『溝端くんの小次郎が一番いい』。僕らの動きが重いのに対し、『溝端くんの動きはすがすがしくて、危うくて一番輝いている』と」

 これを受けた溝端は「竜也さんは普段は優しいけど、舞台に上がるとたぶんドSです。扇子でたたかれるシーンで『痛かったです』と言ったら『本番ではもっと痛くしてやる』と。でも、その分、僕も思いきり殴らせてもらってますので、やっぱりやりやすいのかなあ」と明かした。

 藤原によると、蜷川演出はビジュアル面にこだわったロンドン、ニューヨーク版をほぼ踏襲。溝端は「意外に優しいのですが、楽屋のノートには細かいダメだしをたっぷり書いていただいています。『今度はシェークスピア作品でたっぷりいじめてやるか』とも」と蜷川演出を実感している・

 鈴木杏、六平直政、吉田鋼太郎、白石加代子ら他の出演者は初演と同じ。公演は10月20日まで同所で行われた後、大阪、シンガポールでも上演される。