歌手で女優の土屋アンナ(29)の主演舞台「誓い~奇跡のシンガー~」が中止になった問題で、監督の甲斐智陽氏側が土屋と所属事務所に損害賠償を求める民事訴訟の第1回口頭弁論が7日、東京・霞ケ関の東京地裁で開かれた。

 甲斐氏側は3026万円の損害賠償を求めて提訴している。甲斐氏は出席したが、土屋は出席しなかった。

 裁判では、甲斐氏側が訴状で、土屋が無断で稽古をさぼり、そのことによって公演中止になったなどと主張していたことなどを確認。これに対して、土屋側の弁護士は、同舞台の原案とされるノンフィクション「日本一ヘタな歌手」著者の浜田朝美氏が台本を知らなかったことをつづったブログなどを証拠として提出した。

 裁判長は「もともと契約していた舞台の稽古を休む法的根拠」を次回の口頭弁論までに説明することを土屋側に要求した。次回は12月11日午後1時30分から同所で行われる。

 口頭弁論後、甲斐氏側の伊藤芳朗弁護士は「裁判長は、浜田さんが台本を渡されていなかったことが、土屋さんが稽古を休む根拠の説明になってないということを鋭く突いていた。手応えを感じました」と話した。

 また甲斐氏は「日本一ヘタな歌手」を原案とした映画の製作準備を進めていることも明かした。具体的な製作時期などは未定だが、現在キャスティングも進めているという。「今度は、ばっくれない人がいいな」と苦笑いした。浜田氏については「今度は、ちゃんと『(浜田さんの話とは)一切関係ありません』と一筆もらいますよ」と話した。