昨年12月30日に解離性動脈瘤(りゅう)のため亡くなった歌手で音楽プロデューサーの大滝詠一さん(享年65)のお別れ会が21日、ソニーミュージック乃木坂スタジオで行われた。

 主題歌を提供したフジテレビ系ドラマ「ラブジェネレーション」(97年)のヒロイン松たか子(36)ら関係者250人が参列し、夫人の静子さんが、参列者を前に大滝さんが亡くなった時の様子を明かした。

 大瀧さんは亡くなった12月30日、夕食後に夫人がリンゴの皮をむいている時に突然、「ママ、ありがとう」と大きな声で叫ぶように言って倒れたという。すぐに夫人が心臓マッサージをしたが、そのまま帰らぬ人になったという。

 ともにバンド、はっぴいえんどで活動した作詞家松本隆氏(64)は「僕の言葉と彼の旋律は毛細血管でつながっている。もう作る力がない」と悼んだ。鈴木茂(62)は「初めてアメリカに行ったとき、エレベーターに大滝が閉じこめられて、みんなで助けに行ったことを昨日のように思い出す」とほほ笑ましいエピソードを明かした。細野晴臣(66)は「老後、ぼそぼそと音楽の話をするのを楽しみにしていたのに」と惜しんだ。

 82年、TBSラジオ「ゴー!ゴー!ナイアガラ」収録時の写真が遺影として飾られ、音楽界からは甲斐よしひろ、ウルフルズ、サンボマスター、あがた森魚、杉真理、伊藤銀次、俳優の佐野史郎、タレントの清水ミチコ、高田文夫さんらが参列した。