演歌歌手冠二郎(65)が29日、東京・千代田区のホテルニューオータニで新曲「どうせこの世は成り行きまかせ」の発売記念イベントを行った。

 歌手生活47年目の勝負曲。“声フェチ”の異名を持つ歌手藤あや子が、冠の声質にほれ込んで作曲家「小野彩」名で手掛けた。07年に「燎原の狼」で初めてタッグを組んでから7年で7作品目。1年に1作のペースで、まさに相思相愛の関係だ。「彼女は良い曲を書くんだよね。ただね…。約2時間やった歌唱指導が厳しい。『イメージと違うっ』って何度も直されたんだよ。俺の方が先輩なんだけど」。

 曲間には得意のセリフ「セイヤッ」を何度も入れて客席を指さす。「人生の応援歌だから元気に歌わないと。タイトルだけ見ると、捨て鉢みたいに思えるかもしれないけど、本当は叱咤(しった)激励の曲なんだ」。

 3年後には50周年の節目を迎える。「上の世代もいるし、下もたくさんいる。演歌界の中間管理職みたいなもんです。大変だけど頑張るよ。石にかじり付いてでも、コケの一念で張り付いてでもね」。

 誰に対しても、いつでもデビュー当時と変わらぬポジティブシンキングと笑顔。「セイヤッ」のかけ声といえば冠二郎。50周年に向けてもこのキャッチフレーズで走り続ける。