女優宮沢りえ(41)が21日、都内で行われた自身7年ぶりの主演映画「紙の月」(吉田大八監督、11月15日公開)の完成報告会見に出席した。原作は直木賞作家角田光代さん(47)のベストセラーにもなった長編小説で、「桐島、部活やめるってよ」などを手掛けた吉田監督(50)が映画化した。

 宮沢は感慨にふけった。07年の「オリヲン座からの招待状」以来となる映画主演。「さっきパンフレットを見て、あらためて7年ぶりなんだなという驚きがあった。その7年の間に、沸々とためておいたのを、本当に出し切ったというのが今回あります」と冒頭のあいさつで語った。

 オファーを受けた当時の心境を聞かれると思わず、本音がもれた。「すぐやるという感じにはなれなかった」。同作は既婚の女性銀行員が不倫のために、顧客の預金を横領してしまう転落人生を歩む姿を描くサスペンス。これまでに受けた体験のない役柄。「自分がやったことない役。はじめる(決心)に時間があった。でも吉田大八監督と仕事がしてみたいのと、見たことのない自分に出会いたいとの思いで、受けさせてもらった」と話した。だが作品が完成した時を振り返り「本当に見たことのない自分があった。衝撃だった」と語った。

 元AKB48の大島優子(25)も出席した。同グループ卒業後、初の映画出演作となる。原作にはない映画オリジナルキャラクターで、宮沢演じる主人公が勤務する銀行の窓口業務の同僚役。大島は「先輩方のお芝居を間近で見られて、空気とか芝居の取り組み方、姿勢とかも勉強させていただきました。感化されるように、緊張しつつ、繊細にやってみようとお芝居させてもらいました」と話した。

 また同作は宮沢だけでなく、小林聡美(49)や石橋蓮司(73)ら名役者たちも出演している。先輩役者たちの熟練の演技について「素直に、間近で見られて光栄に思いました」。

 このイベントには小林、吉田監督、原作を描いた角田さんも出席した。小林は「緊張感がありながらも楽しい現場でした」。吉田監督は「これから1人でも多くの方に映画を見てもらえるよう、よろしくお願いいたします」とPR。角田さんは「映画になるのはうれしい。見てみてものすごい映画だった。度肝を抜かれる。すばらしい」と話した。