歌手森進一(60)が8日、生放送のNHK「歌謡コンサート」(火曜午後8時)に出演し、川内康範さんへの思いを語った。

 番組冒頭に設けられた川内さんの追悼コーナーで、「私の父親代わりとおっしゃってくださっていた川内先生が亡くなられたことは、やはり寂しく残念でなりません。おふくろさんのことにつきましても、私の思いの至らぬ部分もあり、直接お目にかかって私の気持ちをお伝えしたいと先生にお願いをしてまいりましたが、今ではそれもかなわないこととなってしまいました。今はただ、心よりご冥福をお祈りしたいと思います」と、表情を厳しくして語った。

 川内さんと縁のある歌手がほかにも出演する中、司会の小田切千アナウンサー(38)が「森進一さん、川内さんの訃報(ふほう)は今どのように受け止めていらっしゃいますか」と話を振った。「おふくろさん騒動」の渦中にある森に、追悼の言葉を話してもらう演出。NHK側が手を差し伸べた形だ。番組では、前川清&クールファイブが川内さんが作詞した69年のヒット曲「逢わずに愛して」を歌ったが、森は同騒動を考慮し、川内さん作詞の楽曲は歌わなかった。

 森は放送開始の約5時間前の午後3時すぎ、出演者が通常は使わないようなルートで会場のNHKホールに入った。同ホール「楽屋入り口」に報道陣が待ち受けていると知り、避けたようだ。放送後も集まった報道陣には応対しなかった。