女優渡辺えり(55)が一人芝居「乙女の祈り」を8月15日と16日に東京・下北沢ザ・スズナリで上演する。渡辺が主宰する「ユニットえりすぐり」の第1回公演で、渡辺にとって一人芝居は初挑戦となる。

 関西在住の若手女性劇作家4人とのコラボレーションで、「乙女の祈り」をテーマに4人と渡辺本人があて書きした約15分の話5本で構成。「石に顔を描く女」「子どもを亡くした女」「母になりそこなった女」「自分の歌を探し続ける女」など5役を演じる。

 「寂しがり屋の私は一人芝居をしたいと思う役者の気持ちがさっぱり分かりませんでした」という渡辺だが、最近考えが変わった。「一人芝居は予算が少なくて済むという点に気が付いた。小回りが利いて、スケジュールも立てやすい。融通のきく一人芝居でいろいろとすてきな冒険ができればと思った。そして、一番いいのはほかのキャストにギャラを払わなくても済むこと」という。

 5話を渡辺が好きなフランスの劇作家ジロドウの「オンディーヌ」のせりふでつなぐ構成。宣伝ポスターの写真撮影にあたり、渡辺は「水の精であるオンディーヌの雰囲気の衣装を探したけど、思い切ってチュチュにしようとシャレで決めた」。「白鳥の湖」のオデット姫のような扮装(ふんそう)になったという。演出は唐組の久保井研、音楽はアーコーディオンのcobaが担当する。「膨大なせりふを覚えなくてはいけないので大変。舞台の上で1人という極限状態にどこまで耐えられるか。頑張ります」と話した。

 [2010年7月15日8時15分

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