石原軍団が7日、東京・日本橋高島屋屋上に、東日本大震災後に宮城県石巻市に立ち上げた「げんき食堂」を特設し、伝統の「炊き出しカレー」を提供した。日本橋高島屋で12日まで開催中の「大東北展」の目玉企画で、カレーと日替わりの東北郷土料理がセットで200円、1日300食限定で提供され、売上金全額が被災地に寄付される。またカレーのほか、とん汁、おでん、ぜんざいの「石原軍団炊き出しメニュー」の商品化と販売も決定した。

 渡哲也(69)舘ひろし(61)徳重聡(33)ら石原軍団の面々が、小豆色のエプロン姿で「げんき食堂」の店頭に立った。舘の威勢のいい「へい、らっしゃい!!」の声に調理場から次々とカレーが運ばれるが、長蛇の列ができて調理が追いつかない。「遅いね」と苦笑いの舘に、渡が「はい、舘さんお待たせ」とカレーを手渡すと、宮下裕治(36)池田努(32)金児憲史(32)も笑った。宮城名物はっと汁とセットで用意された300食は20分弱で完売した。

 そんな人気のカレーをはじめとした「石原軍団炊き出しメニュー」が商品化され、全国の茶の間で楽しめるようになる。11月中旬からタカシマヤ通販カタログとオンラインストア(http://www.takashimaya.co.jp/shopping/)で、カレーととん汁の販売がスタートする。カレーはレトルトパック5食セットで2000円(1食は400円、税込み)の予定。1月には舘の母直伝のぜんざいと、おでんの商品化も予定している。

 炊き出しは1972年(昭47)前後に、映画のロケ現場でとん汁を振る舞ったのが始まりだが、メニューの商品化は初めて。きっかけは4月14日から20日まで、石巻市で行われた炊き出しだった。高島屋が1万5000食の食材を支援し、スタッフも現地に同行し炊き出しした。そこで伝統のレシピを覚え、商品化を提案。石原軍団も被災地の継続的な支援を約束しており、売り上げの一部を寄付することで快諾し、実現した。

 石巻でカレー担当だった徳重は「石巻でつくっていたカレーに近いと思います」。また舘は「ぜんざいを出す際は、母を呼んでレシピを。品良く甘いです」と自信を見せた。渡は「うまいですよ。うまさを感じていただき、売上金が被災地に行くのが大事。私は満足いただけると思います。まだまだ復興も大変。応援を続けていくのが大事」と力を込めた。【村上幸将】

 ◆石巻市炊き出しVTR

 石巻市中央公民館駐車場を会場に炊き出しを行い、4月14日の初日には約2800人が集まった。徳重がカレー、渡と舘が焼きそばを担当したほか、おでん、とん汁、野菜炒め、天ぷらそば&うどん、雑煮、みそ汁、からみもち、サラダ、おひたし、果物などを日替わりで提供。特大釜4台、大釜13台、7キロ炊き業務用炊飯器7台、おでん器2台、天ぷら揚げ機2台、餅つき機、特大鉄板2台で調理した。舘は母のぜんざいを再現しようと早朝から小豆を煮て、あく抜きをするなど精魂込めてつくり大好評だった。同15日には女優上戸彩も参加。