嵐が東日本大震災の被災地に約3億円を寄付したことが3日、分かった。寄付先は、被害が甚大だった岩手、宮城、福島の3県。観光庁が調整役を務め、各県に1億円ずつ送られた。約3億円の内訳は、書籍とグッズの収益が2億5200万円と嵐の印税全額4950万円という。

 収益を寄付した書籍「ニッポンの嵐

 ポケット版」は、6月末に発売。10月末までの4カ月間で、約42万部を売り上げるベストセラーとなった。「ニッポン-」は、嵐が企画・取材し、日本各地の魅力を紹介したもの。昨年9月に教育委員会を通じ、全国の小中高約4万校に寄贈。非売品だったため、「ぜひ一般発売してほしい」という声が殺到していた。「発売するなら、ぜひ復興支援のために」というメンバーの意向もあって、復興支援目的でポケット版発売を決めた。

 グッズは、6月末に東京ドームで開催したチャリティーイベント「嵐のワクワク学校」のグッズ3種類の収益。グッズはノートなど3種類発売。チャリティー目的での販売だったため、500、300、200円と子供でも買いやすい価格に設定されていた。関係者によると、嵐メンバーは観光庁から「観光立国ナビゲーター」に任命されていることなどから、「被災地の教育と観光に活用してもらえれば」と希望しているという。

 3日にCDデビュー13年目に突入した嵐は、震災発生直後から継続して復興支援に取り組んでいる。4月にはジャニーズ事務所の復興支援プロジェクト「Marching

 J」の一環として行われた募金活動に参加。メンバーは個人的にも義援金を被災地に送っている。

 大震災発生から約8カ月。震災直後に比べると、タレントの復興支援のための寄付が少なくなってきた中での、国民的アイドルグループの寄付は意義深い。5人の「復興支援を続ける」という強い決意を体現したこの行動は、今後に大きな影響力を持ちそうだ。