お笑いトリオ、ヒップアップのメンバーで俳優の小林(こばやし)すすむさん(本名・進)が16日午後10時45分、胃がんと肝硬変のため都内の病院で亡くなった。58歳。人気お笑い番組、フジテレビ系「オレたちひょうきん族」などで活躍し、30代後半からは俳優としても人気だった。近く、近親者のみで密葬を執り行う。喪主は妻昭子(あきこ)さん。

 小林さんは今年1月21日から2月20日まで、遺作となった映画「踊る大捜査線

 THE

 FINAL

 新たなる希望」(9月7日公開)の撮影に臨んでいた。腹水がたまるなど体調は良くなかったという。撮影の日程を終えて病院に行き、肝硬変と胃がんの診断を受けた。余命2週間の状態だったという。小林さんは、余命の告知は受けず、病床でも次の作品への意欲を持って治療に臨んでいたという。

 「ひょうきん族」で共演し親交があった山田邦子(51)によると「迷惑がかかるから」と、病気のことは周囲には言わなかった。しかし、山田を介して「ひょうきん族」メンバーや「踊る-」「花より男子」シリーズなどで共演した仲間に連絡した。「ひょうきん族」メンバーで入院、治療費を集め、ヒップアップの島崎俊郎、コント赤信号の渡辺正行が持って行ったという。また「花男」の松本潤、井上真央、小栗旬もそろって見舞いに訪れた。

 16日に容体が変わり、妻昭子さんらにみとられて、小林さんは帰らぬ人となった。最期は穏やかな表情だったという。明石家さんま、ラサール石井も病院に駆け付けた。「葬儀はしないでほしい」という本人の意向で、密葬の後、後日お別れの会を予定している。

 小林さんは23歳の時に島崎俊郎、川上泰生とヒップアップを結成し「THE

 MANZAI」「ひょうきん族」などで活躍。俳優として幅広い作品に出演したが、親しみのある役柄が多かった。作品をなごませてくれた優しい笑顔は、画面やスクリーンの中でしか見られなくなった。

 ◆小林(こばやし)すすむ

 本名・進。1954年(昭29)4月15日、長野県上田市生まれ。ザ・ドリフターズとコント55号にあこがれて芸能界を目指す。77年にヒップアップを結成しお笑い番組で人気に。90年代前半から俳優活動を始める。「踊る」「花男」シリーズのほか、ドラマは「十年愛」「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」、映画は「シベリア超特急」「手紙」など多数。