09年に覚せい剤取締法違反(所持、使用)で逮捕、起訴され、現在、執行猶予中の元女優酒井法子さん(41)が23日、都内で、事件当時に支援を受けた建設会社会長の通夜に参列し、芸能界への復帰願望をにおわせた。「私の口からお伝えするのはどうかと思いますが」と明言を避けたが、復帰は恩人の会長の希望だった。会長は20日夕、肝臓がんのため都内の病院で死去。74歳だった。最期は酒井さんもみとったという。

 酒井さんは通夜の終了後、報道陣の取材に応じ、「長生きしてほしかった」と語り、涙ぐんだ。

 酒井さんは、会長には10代のころから世話になっていたとし、「いつも大きな愛情、お父さんのような無償の愛情で支えてくれる方でした」と紹介した。09年に酒井さんの元夫が渋谷区で逮捕された際、任意同行を求められた酒井さんのために会長は現場に駆けつけた。その後も自殺をほのめかした酒井さんを保護しようと、運転手付きの車を貸与し、マンションや別荘を用意するなど、「6日間の逃走劇」の手助けをしたとされる。

 そんな恩人の死に、酒井さんは「いつも前を向いて生きろよと励ましてくれました。その言葉を胸に刻んで息子と前を向いてしっかり歩んでいきたい」と語った。実感がわかず混乱しているとし「ただ、ただ今は残念でなりません」とも。最期をみとり、心の中でありがとうと言ったという。

 一方、今後について報道陣から質問が及ぶと「恩返しできるまで、生きていてほしかった。もっと長生きしてほしかった」と声を詰まらせ、「頑張っている姿をもう1度見てほしかった」と語った。

 芸能界復帰の可能性には「どんな形であれ、1人の人間として、親として、しっかり生きていく姿を支えてくれたので、1つ1つできることを頑張っていきたいです」。報道陣から復帰願望を問われると「私自身の口からお伝えするのはどうかと思いますが」と明言を避けたものの、会長は復帰を望んでいたのかと問われると「はい」ときっぱり。酒井さんは今年11月に執行猶予が明け、芸能界復帰が取りざたされている。会長に見せたかったという「頑張っている姿」に復帰は含まれていそうだ。

 酒井さんの元所属事務所サンミュージック関係者は会長について、「亡くなったことは今日(23日)知りました。突然のことなので驚いています」と話していた。