2014年のNHK大河ドラマについて、戦国武将の明智光秀を主軸に描くプランが浮上していることが18日、分かった。複数の関係者によると、8月上旬までに光秀の名前が有力候補として挙がり、局内で検討されていたという。

 光秀は「主君織田信長を討ち滅ぼした謀反人」「三日天下」など、一般的には好印象という人物ではない。出自においても謎が多く、本能寺の変に至った動機も諸説あるなど、未知の部分の多い人物だ。

 一方で、時代の大きな転換期に、多大な影響をもたらしたキーマンでもある。義に厚く、勤勉で学問好きで、古い秩序を重んじるまじめな男として評価は高い。軍師として参戦した一向一揆では、夜討ちに備えるように進言し、予想通りに夜討ちがあるなど知略に満ちていたとされる。鉄砲の名手で、歌人でもあり、文武両道の名将。善政を敷き、領国では税を抑え、庶民に慕われていた。

 さらに愛妻家としても知られ、妻煕子(ひろこ)のほかに側室をおかず、ただ1人を愛し続けた。煕子も、自分の髪を売り、夫のために金を用立てたという話もある。光秀の娘玉(細川ガラシャ)も優しい父を慕い、尊崇していた。

 今年の大河ドラマは平安末期、来年の「八重の桜」は幕末を描く。再来年は、人気の戦国時代がテーマというのは自然の流れといえる。光秀を描くとなれば、激動の時代に信念を貫いた新しいイメージの「人間光秀」と家族の絆などがテーマになるとみられる。