ひょうひょうとした中に滋味深い演技で舞台、映画、ドラマで活躍した文化功労者、劇団民芸代表の大滝秀治(おおたき・ひでじ)さんが2日午後3時17分、肺扁平(へんぺい)上皮がんのため都内の自宅で亡くなった。87歳だった。

 20年前から大滝さんのものまねをしていたタレント関根勤(59)は、レギュラー出演するフジテレビ系「笑っていいとも!」終了後にマネジャーから訃報を耳にし、動揺した様子を見せたという。そして、数時間後、「2人で伊豆を旅する番組でご一緒させていただいた際には、仕事や人生に関するお話をたくさんしていただき、本当の父親と過ごしているようでした」と、追悼コメントを発表した。

 生前、大滝さんは関根のものまねについて「しっかりと特徴をつかんで、よくデフォルメしてる。大滝より大滝らしいなんて言われることもあって、別に悪い気はしない」と話し、昨年2月には、日本アカデミー賞授賞式で同席して握手を交わしていた。

 「その力強い握手は忘れることができず、とてもうれしかったです。それが大滝さんとお会いする最後の機会になるとは思いませんでした。残念で仕方ありません。謹んでご冥福をお祈りいたします」

 関係者によると、関根のショックは大きく、当面は大滝さんのものまねを封印する方向という。