政府は30日、2012年度の文化勲章を映画監督の山田洋次氏(81)ら6人に贈ることを決めた。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で開かれる。

 文化勲章に決まった山田氏は、受章の連絡を聞いて「正直、面食らった」と振り返った。「それほど僕はグレードの高い仕事はしていないのに」と言い、「映画人の1人として、映画界を代表して、日本映画のためにこの章をいただこうという気持ちです」と感謝の意を示した。50年のキャリアでの最大の転機について「やはり、僕の仕事の大部分を占めているのは『寅さん』シリーズですから、渥美(清)さんが亡くなってシリーズが終わった時ですかね」と説明した。

 「もし今、寅さんがいたら」という質問に対しては「文化勲章って、それ、なんだい?

 そんなものもらっていいのかい?

 って冷やかすでしょうね」と笑った。「でも、渥美清さんがいたら…生きてたら、きっと喜んでくれたでしょうね」とも付け加えた。