87年のNHK連続テレビ小説「チョッちゃん」のヒロインで知られ、昨年3月に子宮頸(けい)がんの手術を受けた女優古村比呂(47)が2月1日に著書「がんを身籠って」(主婦と生活社)を出版する。闘病生活や後遺症、シングルマザーとしての生活などについて赤裸々に明かしている。

 同書は11年12月、子宮頸がんであることを告げられたところから始まる。「頭に『死』がシャボン玉のように浮かんでは消えた」と、当時の心境や、子宮全摘手術を受けるまでの2週間の入院生活、術後の排尿障害やリンパ浮腫などの後遺症について、160ページにわたって詳細に記している。

 また、09年に離婚した俳優布施博(54)との結婚生活についても触れている。「40歳で別居して以降、43歳で離婚するまでの3年間は、人生の中で、とても気持ちが張り詰めている時期でした。子宮も頑張りすぎて、疲れ果て、冷え切っていたのでしょう」と語っている。3人の息子それぞれの心境も収録されている。

 執筆に至った理由について、「この病気になって初めて、子宮頸がんは唯一『予防できるがん』であることを知りました。ちゃんと知っていたら、子宮を失わずに済んだかもしれないという思いを打ち明けることで、子宮を守れる女性がひとりでも増えればと思いました」と説明。女性特有の病気ではあるが、「男女問わず、正しい知識を知ってもらいたい」としている。

 現在は、2カ月に1回通院しているものの、ほぼ手術前と変わらない生活に戻りつつあるという。

 ◆古村比呂(こむら・ひろ)1965年(昭40)11月24日、北海道生まれ。85年、道内のローカル番組出演中にスカウトされ上京。同年「クラリオンガール」準グランプリに。86年映画「童貞物語」で女優デビュー。87年NHK連続テレビ小説「チョッちゃん」のヒロインで人気獲得。92年俳優布施博と結婚し、3男をもうけるが09年離婚。血液型O。