アニメ「ルパン三世」の銭形警部や「宇宙戦艦ヤマト」の沖田艦長、外国映画の吹き替えなどで知られ、舞台でも活躍した俳優で声優の納谷悟朗(なや・ごろう)さんが5日午前3時、慢性呼吸不全のため千葉市内の自宅で死去した。83歳だった。葬儀・告別式は近親者のみで行った。後日、お別れの会を開く。喪主は妻で女優の火野カチ子(ひの・かちこ、本名納谷捷子=なや・かちこ)さん。

 90年代に胃がんで胃の大半を摘出したが、活動は続け、舞台出演は08年4月「ルームサービス」が最後。昨年5月28日収録のテレビ朝日系日曜洋画劇場「インセプション」の吹き替えが最後の仕事になった。

 59年に劇団「テアトル・エコー」に入り、中心俳優として活躍。60年代から米テレビシリーズ「コンバット」のヘンリー少尉で吹き替えを担当。以降もクラーク・ゲーブル、ジョン・ウェイン、チャールトン・ヘストンら担当した俳優は100人以上。低音のだみ声で人気を集め、アニメは71年から36年続いた銭形警部や「仮面ライダー」のショッカー首領、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」のユパの声も担当した。舞台も熊倉一雄とのニール・サイモン作「サンシャイン・ボーイズ」などに出演した。