<連載「気になリスト」(76)>

 今、誕生15周年を迎えたモーニング娘。のセンターを務めているのは、中学2年の鞘師里保(さやし・りほ=14)だ。昨夏、グループ50枚目のシングル「One・Two・Three」で抜てきされた。以来、プロデューサーのつんく♂からも評価される卓越したダンスと、堂々とした歌声で、平均年齢16・3歳のグループをけん引している。

 6歳で、Perfumeを輩出したアクターズスクール広島に入学し、6年間ダンススキルを磨いた。「ダンスはかなり上のほうでした」と自信をつけたが、モー娘加入半年で右座骨神経痛を発症。1カ月以上の自宅療養を余儀なくされた。それでも、「ここで変わらなきゃ」と切り替え、苦手だった歌の練習に専念。パフォーマンス向上に努めた。

 復帰直後に、当時リーダーだった高橋愛(26)が卒業し、「自分が引っ張らないと」という意識がさらに強くなったという。スタッフからも「子どものようなメンバーが多い中でも、本当にしっかりしている。単独インタビューでも何の心配もいらない」と信頼されている。「はい。よく、『精神年齢43歳』って言われるんです」。

 今年5月に田中れいな(23)が卒業すると、残りのメンバー10人中、先輩は道重さゆみ(23)だけになる。「当然、不安も大きいです」と言うが、「モー娘は今までも常に変化して、成長してきました。今は、みんなで田中さんの穴を埋めようと、競うようにボイストレーニングの予定を入れてますよ」と笑う。すでに、グループ全体を見渡す貫禄もついてきた。

 今年の目標は、NHK紅白歌合戦出場だ。AKB48を先頭にしたアイドル戦国時代の中、モー娘は1月に約3年8カ月ぶりでオリコン週間1位を獲得。完成度の高い歌と踊りで再び輝きを増してきた。「ファンの方々にも『モー娘』ファンというプライドがあると思いますし、『やっぱり、モー娘はやるな』と思ってもらいたいです。そして、これから歴史の教科書に載るくらいの活躍をしたい。メンバーだったことを、孫に自慢できるようなおばあちゃんになりたいです」。

 真っすぐな瞳を持った少女が、新たな歴史をつむいでいく。【横山慧】

 ◆鞘師里保(さやし・りほ)1998年(平10)5月28日、広島県生まれ。愛称は「りほりほ」。昨年、スマイレージ和田彩花とユニット「ピーベリー」を結成し、田舎の魅力を伝える「SATOYAMA

 movement」の中心も担う。新曲「ブレインストーミング」(4月17日発売)では田中とともにセンターを務め、見事なラインダンスを披露。けん玉1級、書道6段。血液型AB。(3月18日付

 紙面から)