フジテレビの亀山千広社長(57)が27日、TBS系「半沢直樹」とNHK連続テレビ小説「あまちゃん」がヒットした理由を解説した。定例会見が東京・台場の同局で行われ、「ヒットする番組には“発明”がある」と指摘。まず、最終回で今世紀ドラマ最高の平均視聴率42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークした「半沢」について分かりやすく説明した。「タイムテーブルに時代劇がなくなった中、ちょんまげを結っていない気持ちいい勧善懲悪があった。見えを切るシーンもあったし、時には立ち回りもあった。町娘風な上戸彩さんの存在もあった」

 かつて「ロングバケーション」や「踊る大捜査線」など大ヒット作を生み出した名プロデューサーも、「半沢」には「あっぱれとしか言いようがない。敬意を表したい」と脱帽するしかなかった。その上で「出来るなら自分の局から出したかった」と苦笑した。

 「あまちゃん」については「(夏、春子、アキの)3世代が見事に主役を入れ替わりながら楽しませてくれ、(半年の)長丁場を乗り切った。ナレーションも飽きる頃には次の世代になる。それも1つの発明」と朝ドラの定番を打ち壊した新たな手法を絶賛した。

 一方で、年間視聴率レースでテレビ朝日、日本テレビの後塵(こうじん)を拝し、7月期のドラマでもヒットを出せなかったフジテレビについては「疲れている番組が目立つ。野球で言えばヒットが出ていたバッターが、悩みながらフォームを変えて、元のフォームに戻れなくなった感じ」と冷静に分析した。

 いずれも名解説だったが、「NGワードと言われるかもしれないが、『倍返し』してやるくらいのつもりで番組を作ってもらいたい」と社員にハッパも掛けた。大多亮常務は「再来年春頃まで、首位奪還の重要な1年半。力を集結したものにしていきたい」と巻き返しを誓った。