<連載「気になリスト」(60)>

 視聴率ランキング1位を快走するNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」にニューヒロインが現れた。杏(27)演じるヒロインめ以子の長女で、女学生に成長したふ久役の新人女優松浦雅(18)だ。先々週から登場している。戦時下の世相に疑問を感じ、母め以子に「おかしなことがおかしいって言われへんまんまにならへん?」とズバリ言い放つ異色の役柄だ。「毎日が勉強で新鮮です。食卓のシーンでは杏さんの隣なので、一緒につまみ食いしたり、母娘の仲が微妙なので『早く仲良くなりたいね~』って、かわいがっていただいてます」。

 最近、民放の某プロデューサーから「和風のNHK顔だね」と言われた。劇中では濃い眉と三つ編みおさげが似合う古風な印象だが、実物はエキゾチックさも漂わす目鼻立ちくっきりの美少女だ。実は今回がドラマ初出演。昨年の舞台以外は女優経験がない。それでも家族だんらんの場面ですら存在感が際立っている。それもそのはず、1年半前に「JUNONガールズコンテスト」初代グランプリを獲得している正真正銘の大型ルーキーだ。兵庫で教師の親を持つ一般家庭に育ったが「女優の道は、学校進学と同じく私の中でごく自然な進路でした」。約1年前、め以子の同級生役のオーディションで落選したが「今後、合う役があるかも。また受けてみて」と言われ、娘役を再受験。見事合格した。

 経験少ない取材の場でも物おじもせず、自分の言葉で話し続けた。「100年たっても覚えてもらえている人になりたい」。名作で名演できる女優を志し、「実年齢よりも若く見えるだけでなく、オリジナルな美しさを持っていらっしゃる」と小泉今日子に憧れている。もちろん杏のことも尊敬している。「小泉さんと杏さんには、どんなシュートも絶対に受け止めてくれるGKのような器の大きさを感じます」。

 「おしゃべりが好きなだけ」と謙遜したが、1時間の取材だけでも表現力や観察力の鋭さがヒシヒシと伝わってきた。【瀬津真也】

 ◆松浦雅(まつうら・みやび)1995年(平7)6月14日、兵庫県生まれ。12年6月10日に第1回JUNONガールズコンテストで7533人の中からグランプリに輝き芸能界入り。13年7月に西原理恵子演劇祭の「ぼくんち」で舞台デビュー。続けて「女の子ものがたり」「美少女戦士セーラームーン」「鬼切姫

 第二章

 来るべき日」の舞台3作に出演。160センチ。血液型O。