英歌手ポール・マッカートニー(71)が今月21日に行う日本武道館特別公演(日刊スポーツほか主催)のチケット対面販売が11日、全国のキョードーグループで行われた。ザ・ビートルズの1966年(昭41)初来日公演以来48年ぶりに武道館のステージに立つとあり、最高額10万円のアリーナ席に人気が集中した。

 チケットの対面販売は全国のキョードーグループ8カ所で、午前10時から一斉に始まった。東京・表参道のキョードー東京チケット特設販売所に訪れたのは約1000人。うち販売開始前までに、500枚以上の整理券が配布された。同所では販売開始と同時に、最高額10万円のアリーナ席に人気が集中。瞬く間に予定枚数に達し、販売を終了した。

 10万円チケットに人気が集中したのには複数の要因が考えられる。ザ・ビートルズのメンバーが48年ぶりに聖地・武道館のステージに立つことは、ザ・ビートルズ及びポールの日本ファンの悲願でもあった。今公演のチケットは最高額10万円で、最低額でも4万円。「行くなら高くても間近で見たい」ファン心理が働いたとみられる。また、今日12日午後11時59分まで、ぴあで抽せん予約を受付中。対面販売なら枚数限定とはいえ、抽せんを待たず、確実にチケットを入手できるメリットもある。

 購入者も対面販売を喜び、東京・町田市在住の40代男性会社員は「ファン同士でずっとポールの話を楽しくしていました。電話だとチケットゲッターが全部取ってしまう。努力でチケットが取れるのはいいですね」。千代田区在住の40代男性会社員は「武道館公演はファンの夢。徹夜で並ぶことは大変じゃないです。みんな友達になっているのは、ネット予約ではできないこと」。相模原市在住の50代男性会社員は「昨年のポールの全5公演も行きましたし、今回は武道館も野外3公演もすべて行きます。破産です!

 生活を切り詰めないと」と苦笑した。

 徹夜して希望通り、アリーナ席2枚を購入できたファンの立ち去る足取りは軽やかだった。昨今のチケット予約は電話やインターネットが主流。だが、対面販売ならではの“お祭り感”が、そこに広がっていた。