初期の喉頭がんの完治宣言をした落語家林家木久扇(76)が21日、埼玉・行田市で行われた落語会で約2カ月ぶりにファンの前に姿を見せた。

 いつもの黄色の着物姿で登場した木久扇は拍手に万歳しながら「ただいま!」。少し痩せて、声もかすれ気味だが、「(高座は)いいもんだね。大変うれしい」と喜んだ。落語はやらず、林家たい平、長男林家木久蔵に挟まれて療養生活を振り返り、「放射線治療は1回3分で、機械は10億円もすると聞き、治療代も大変と思ったら高齢者でタダ。機械に悪いと思って一生懸命に治った」。

 7月21日に喉頭がんと公表したが、「風邪でもないのにせきが出ておかしいと思ったら、がんだった。療養中、しゃべれないことがつらかった」。レギュラーの日本テレビ系「笑点」休演中は座布団が空席だったことについては「番組がケチだから、他の人を出さなかっただけ」と笑わせた。