福島県いわき市のレジャー施設、スパリゾートハワイアンズのフラガールのドキュメンタリー映画が製作されることが18日、分かった。題名は「がんばっぺ

 フラガール!

 ~フクシマに生きる。彼女たちのいま~」(小林正樹監督、10月29日公開)。06年のヒット映画「フラガール」に関わった女優蒼井優(26)や一部スタッフら“恩人”も立ち上がり、協力の輪が広がった。

 福島第1原発事故を受けて、かつて炭鉱町の再生に一役買ったフラガールたちが、45年ぶりに全国巡業を復活させた。本作は故郷復興のために再び立ち上がったフラガールたちの活動を追いながら、ハワイアンズが震災で受けた苦難と施設を再開するまでを描く。

 フラガールとハワイアンズの知名度を全国区に押し上げたのが、映画「フラガール」。この映画に携わった人々が立ち上がった。同映画を手掛けたアスミック・エースの石原仁美プロデューサーは出演した松雪泰子、蒼井、富司純子、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代らと話し合い、チームで同市に義援金を送った。「これだけで終わってはいけない」と思案していた時に、フラガールが全国巡業を開始。石原氏は「フラガールたちは自ら被災しているにもかかわらず、全国に笑顔を届けている姿を見て、その姿を記録に残し映画として描くことで、復興の後押しができないかと考えました」とドキュメンタリー版製作を決意したという。

 「フラガール」でブレークした2人も参加する。ナレーションは蒼井が、音楽はウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロが担当。また、主題歌は仙台出身の歌手、Rakeの「100万回の『I

 love

 you』」に決定するなど、協力の輪は広がっている。

 本作は地元福島県を含めた全国約20館で封切られ、順次拡大公開予定。石原氏は「震災に負けずにこんなに頑張っている人たちがいることを、映画を通して世界中の人たちに知ってほしい」。海外公開も視野に入れ、ベルリン映画祭への出品などを検討している。

 ハワイアンズは10月1日から部分的に営業を再開。本作は、本格稼働への強力な援軍となりそうだ。