阿部サダヲ(42)菅野美穂(34)を主演に、無農薬リンゴを作るために奔走した男性を描いた映画「奇跡のリンゴ」(中村義洋監督、来年公開)のクライマックスシーンが、このほど青森県弘前市で撮影された。リンゴの花が咲くシーンで、実際に花が満開になるのに合わせて行われた。ロケ地は、岩木山が見えるリンゴ畑。何パターンも日程を組んでいたが、雲1つない青空になり、中村監督は「今日は奇跡の天候」と喜んだ。

 阿部も“奇跡”を味わった。阿部演じる主人公・木村秋則がリンゴの木にお礼を言う場面。台本にはリンゴの木の気持ちとして「…」とせりふがある。阿部は「最初は『しゃべるわけないだろ』って思いましたが、本当にふわーっと感じました」。カメラの枠外では、スタッフが大きなボードを持って風を起こす準備をしていたが、阿部の「ありがとう」の後に、本物の風が吹いた。中村監督も「カット!」とOKした。

 妻役の菅野も「皆が待ち望んだ日。満開で快晴、本当に良かった。いい映画になるびょん!」と、津軽弁?

 を交えて自信を見せた。同作は、実際に無農薬リンゴを栽培している木村秋則氏の物語で、弘前市オールロケ。6月中旬に撮了予定。【小林千穂】