声優山寺宏一(51)が、デビュー28年目で世界進出することが20日、分かった。主演のアニメ映画「放課後ミッドナイターズ」(竹清仁監督、25日公開)が、スペイン・バルセロナ近郊で開催される「シッチェス国際ファンタスティック映画祭」(10月4~14日)へ出品されることになった。主演作品の国際映画祭出品は初めてで、字幕付きで上映されることから、“7色の声”と言われる山寺節がバルセロナに響き渡る。

 「シッチェス国際ファンタスティック映画祭」は、ファンタジー系の作品を対象としたファンタスティック映画祭の中で、ベルギーのブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ポルトガルのポルト国際映画祭を含めた「世界3大ファンタスティック映画祭」の筆頭格。例年300近い作品が上映され、国際映画祭全体で見てもモントリオール世界映画祭、サンダンス映画祭と並ぶ格式を誇る。

 山寺は劇中で、名門小学校の理科室で天才的な科学知識を身に付け、夜な夜な動きだす人体模型のキュンストレーキを演じる。キュンストレーキは、身動きが取れない日中に学校見学会に訪れた幼稚園児3人に、飾り立てられたことに激怒。骨格標本ゴス(声・田口浩正)らと真夜中に復讐(ふくしゅう)劇を仕掛けるという特異な役どころで、7月にフランス・パリで開催された「ジャパンエキスポ」で欧州各国の映画関係者の目に留まったという。

 「シッチェス国際ファンタスティック映画祭」のほか、パリのエトランジェ映画祭(9月6~16日)英国のレインダンス映画祭(9月26日~10月7日)にも出品される。既に日本、韓国、香港、台湾、シンガポールでの5カ国同時公開も決まっているが、拡大も期待される。