V6岡田准一(33)主演映画「永遠の0(ゼロ)」(山崎貴監督)の大ヒット舞台あいさつが16日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。2013年公開の実写映画としては、興行収入(興収)NO・1記録を更新(15日時点で約46億円)。映画興行ランキングは、同年公開の実写映画初の4週連続1位を獲得する快挙を達成した。岡田は大ヒット記録を伸ばすべく、“V6超え”を力強く宣言した。

 黒のスーツでビシッと決めた岡田は、感慨深げな表情で客席を見渡した。「あまり実感が湧かないですね。スタッフの方とお会いして、『ヒットしてるみたい』『すごいよ』などと、人ごとみたいに話していましたが、皆さんのおかげだと思っています」。岡田の妻役の井上真央(27)も実感が湧かないのか、「大ヒット、おめでとうございます」と切り出し、山崎監督から「人ごと?」と突っ込まれる場面もあった。

 先月21日に公開。15日までの26日間で観客動員数は374万人、興収は46億円を突破した。14年正月映画の同作の記録は今年分に記録されるが、13年公開作品としての記録を次々と塗り替えている。13年実写映画NO・1記録だった福山雅治主演「真夏の方程式」の興収33・1億円を1カ月弱で更新。映画興行ランキング4週連続1位は、実写映画としては、12年公開の織田裕二主演「踊る大捜査線

 THE

 FINAL

 新たなる希望」以来の快挙となった。

 大ヒットには、いくつかの要因が考えられる。東宝によると、公開時は50~60代の観客が多かったが、現在は10~60代まで広がったという。原作となった百田尚樹氏の同名小説の累計発行部数は映画との相乗効果もあって、510万部を売り上げるベストセラーになった。

 口コミも多い。「YAHOO!映画」の感想を記したレビューは、1000件を超えれば多いとされる中、1800件を突破した。また、「今年の正月映画は泣ける作品が少ない」という評判の中、涙を流す時間を設ける「涙活」を行う人々が、こぞって来場しているという見方もある。

 岡田の人気と尽力もある。主演するNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の撮影を縫って、本作を精力的にPR。また、大河主演の岡田の新作映画とあって、幅広い層から注目されている現実もある。それも踏まえ、岡田は「V6を目指して、さらにV7、V8と長くヒットしていただければ。みんなが幸せな期間を、長く経験させてください」と観客にアピールした。

 舞台あいさつには、浜田岳、染谷将太、吹石一恵、田中泯が出席。

 ◆「永遠の0」

 健太郎(三浦春馬)は祖母松乃(井上真央)の葬儀の日、自分が祖父賢一郎(夏八木勲)と血のつながりがなく、血縁上の祖父が特攻隊員の宮部久蔵(岡田准一)だったと知る。久蔵は太平洋戦争末期、銃撃をくぐり抜け、特攻を果たしたゼロ戦のパイロットだった。妻や娘のために生還を誓っていたが、戦争末期になって特攻隊員に志願していた。山崎貴監督。