イラク代表のジーコ監督(59)が、愛着ある日本との対戦へ向け、胸中を激白した。91年に鹿島の前身住友金属に加入。02年から06年までは日本代表監督を務め06年W杯ドイツ大会出場へ導くなど、強いつながりを持ち「第2の故郷」と言い切る日本と、11日に激突する。運命の決戦を控え、日本代表への思い、そしてイラクサッカー界復興への熱意を明かすインタビューをお届けします。

 イラク代表監督続投か否かで揺れる最中の8月6日。ブラジルのジーコ・サッカーセンターで、ジーコ監督は愛する日本との直接対決へ向け、胸中を明かした。「第2の故郷」への思い、プロの監督としての勝利への思い…複雑に絡み合う感情を言葉としてつむぎ出した。

 ジーコ監督

 日本との対戦はとても感情的なことです。日本は私の人生の中の大事な一部です。私の日本とのつながりは永遠に切れないでしょう。私は(06年W杯ドイツ大会で)日本を率いて祖国ブラジルと対戦しました。この経験が私の2番目の祖国である日本で、日本代表と対戦するというプレッシャーを和らげてくれてはいます。

 勝ちへのこだわりは相変わらずだ。ただ、今回だけは複雑な思いが横たわっていることを隠さなかった。

 ジーコ監督

 日本と戦うのは難しい。現役時代にある大会の決勝で兄(現イラク代表コーチ・エドゥー氏)のチームと対戦し、W杯ではブラジルと対戦した。そして今、日本と対戦する。日本とイラクがW杯ブラジル大会の出場権を得るのがベストだが、イラクが出場権を獲得すれば、私が一緒にプレーして愛して尊敬する人たちが敗退するハメになるかも…という思いがある。選べるとしたら私は日本がいるグループは選びません。でも、既に対戦が決まった。仕方がない。(W杯ドイツ大会で)日本がブラジルに勝つために準備したように、今回はイラクが日本に勝てるように指導する。これがサッカー。情熱的で感動的なスポーツなんだと思う。

 日本代表監督としてW杯アジア予選を経験したからこそ、チャンスがあると信じている。指揮官は「世界の予選で最も難しいのがアジア予選」と断言した。

 ジーコ監督

 欧州予選では10~12の決まった国が勝ち残ることが多く、北中米、南米もそれが言える。アフリカこそアンゴラ、セネガルなどの新興勢力が出てきたが、アジアは特に国と国の間の技術的な差がない。オーストラリアは欧州で戦う選手も多くスポーツ的にも発達した国だが、若返りがなく、選手選考に苦労していると聞く。だからオーストラリアが有利とも言えない。(最終予選に進んだ)すべての国が本大会に出場できると思って戦う。だから、アジアは難しい。【取材・エリーザ大塚通信員、構成・菅家大輔】