チームに完全合流した今、自身3年ぶりのJ1舞台となる開幕戦スタメンが目標になる。「もちろん開幕を目指してやっていきたい、出られたらベスト」と意気込む。しかし、中盤には新たに兵藤慎剛(31)キム・ミンテ(23)らが加わり、ポジション争いが激化している。「チーム内の競争がなければ力は上がらない。(新加入選手は)J1経験者ばかりで、間違いなく自分たちの力にプラスになる」と、競争にもゼロから奪い取りにいくつもりだ。

 開幕まであと2週間と迫った。J1はもちろん、日本代表、海外など経験豊富な稲本の完全合流は、四方田修平監督(43)にとっても頼もしい。「無理せずやらせたい。本人もだけど僕も含めて見ていきたい」と慎重だが、「練習に戻ってきて声も出るし、周りも動かせる。そういう意味でトレーニングが締まる」と復活を大歓迎する。頼れるベテランが戻った札幌が、J1定着への戦いに突入する。【山崎賢人】

<稲本一問一答>

 -久々の練習復帰は

 稲本 これだけ長く休んでいたので、自分の予測しないところで当てられたり、ボールが来たりすることに対して対応できていない。実戦で慣らしていきたい。

 -こんなに長期間の離脱はなかった

 稲本 長かったですが、考えることや体のことなど、逆にプラスに考えた。37歳で大ケガして、それでもまたプレーできる。チームに感謝しているし、今年はチームのために全力でプレーする。

 -開幕戦に向けては

 稲本 もちろん開幕を目指していく。ただ長いシーズンでまたケガをしてはいけない。自分の膝の調子と相談しながら、開幕を目指してコンディションを上げていきたい。

 -久々のJ1復帰は

 稲本 ケガ上がりでも、「まだまだ出来る」というところを見せたい。そういう機会を得られたことに感謝している。またJ1でやれることはチャンスなので。