ハリルホジッチ監督の解任は日本協会の決断が遅すぎだ。ここで切るなら、もっと早く切ればよかった。3年間無駄な金を使った責任は誰が取るのか?

 「選手との溝」なら昨年11月のブラジル戦、ベルギー戦の頃から既にあったと聞く。初戦のUAE戦で負けた時など、W杯(ワールドカップ)最終予選の最中にもタイミングがあったはず。最悪でも昨年12月の東アジアE-1選手権で韓国に1-4と惨敗した時に決断すべきだった。マリ戦やウクライナ戦が引き金なら、なぜその場で田嶋会長が通達しなかったのか。

 組織としてもつじつまが合わない。技術委員長とは代表監督を任命、管理、解任する立場、つまり上司だろう。本来なら代表チームの不振は技術委員長の責任でもある。西野氏がその責任を取らずに新監督になるとは…。しかも、手倉森コーチらは残って外国人スタッフは解任? 技術委員長以下「総辞職」して、立て直すのが筋ではないか。

 これは西野氏の監督としての手腕の問題ではなく、組織の問題だ。新代表監督が先で、新技術委員長が後から決まるなんて奇妙な構図だ。西野氏には「マイアミの奇跡」というキャッチフレーズがあるが、それはもう思い出だ。応援はするが、現場を離れて腕がさび付いていないか心配だ。(日刊スポーツ評論家)