MF香川真司(26=ドルトムント)が、31日のウズベキスタン戦(味の素スタジアム)でトップ下に入り、FW本田圭佑(28=ACミラン)と共存する。同時先発では初めて。ハリルホジッチ監督初陣のチュニジア戦に2-0で快勝した日本代表は28日、大分市内で約1時間半調整し、都内に移動した。チュニジア戦の後半15分から出場して2ゴールに絡んだ香川は、ミニゲームで前日と同じくトップ下に入ってプレー。次戦は先発が濃厚だ。

 大分の暖かな日差しを浴びながら、香川がミニゲームで存在感を見せた。テンポよくボールを回し、リズムを作る。ハリルホジッチ監督が指示を出し終わった後もチームメートに声を掛け、ポジショニングなどを指導する姿があった。

 チームを引っ張る覚悟はある。合宿中、ハリルホジッチ監督がミーティングで使用した映像の中には、自らが所属するドルトムントの映像もあった。「攻守の切り替えが速い部分や(プレスの)寄せの速さはドルトムントに似ているところもある」と監督が目指すスタイルとの共通点を挙げた。その上で「もっと自分がやりやすいように、要求していきたい。それが、チームのためにもなるようにしたい」と話した。

 ザッケローニ監督時代は、本田がトップ下に君臨していた。アギーレ監督時代には、トップ下を置かない4-3-3のフォーメーションだった。そのため次戦ウズベキスタン戦で本田と香川が同時先発し、香川がトップ下に入るとなれば初めて。本田が「俺の体にはトップ下のDNAが流れている」と言ってこだわったポジションは、香川もドルトムントでプレーしており「自分にとっては慣れ親しんでいる。やれたら楽しい」と思い入れはある。これまでは本田に譲っていたが、同時先発でチームをけん引する機会がようやく巡ってきそうだ。

 次こそ、先発で結果を残す。練習前、ピッチ上で行われた約8分間の青空ミーティングの中でハリルホジッチ監督は、次戦に向けて「(チュニジア戦と)違う選手を使うから、みんなにチャンスがあるんだぞ!」とハッパを掛けた。先発出場を見据える香川は「前半から激しい戦いの中で、主導権が握れるかどうか。しっかり準備したい」と意気込んだ。

 27日のチュニジア戦では後半15分から途中出場でトップ下に入り、攻撃を活性化させた。昨年のW杯、今年のアジア杯と悔しさを味わった男が、再び輝き出す時がきた。【保坂恭子】