<国際親善試合・キリンチャレンジ杯:日本1-0UAE>◇6日◇東北電ス
日本代表MF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)が、大一番、11日のW杯最終予選イラク戦(埼玉)への手応えをプレーと言葉で示した。国際親善試合UAE戦にトップ下で先発し後半19分までプレー。得点はなかったが、チーム最多6本のシュートを放った。試合後は戦術的な質問に「正直しゃべりたくない。次の試合の駆け引きは始まっている」とコメント。ジーコ監督率いるイラク撃破の秘策あり、の期待感をぷんぷんにおわせた。
本田はいつもの本田だった。開始70秒。キックオフ直後に香川のヒールパスを受けて右足で強烈なシュートを放った。惜しくもクロスバーの上に外れたが、いきなり相手を脅かした。その後もミドルシュートを多用したかと思えば、36分には強引な突破からFKを得るなど、攻め手は誰より多い。ファウルを得た1分後、自ら蹴った直接FKはカベに当たって不発だったが、交代するまで攻撃をリードした。
「結果は勝ったんで、まあまあ。ただ内容は満足できるものじゃない。それが何かと言われれば全部。ひとつひとつのプレーの質、量、戦術、クオリティーが普通。代表として世界のトップを目指すチームなら、こうであってはいけない」
「W杯優勝」を公言しているチームの大黒柱の自覚がある。チームメートの意識の向上も感じている。だからこそ、試合内容はまったく物足りない。チーム全体のデキを問われると、すべての面を課題に挙げた。
一体、ピッチ上の本田は何を考えてプレーしているのだろう。その一端が、珍しく試合後に自らの言葉で具体的になった。この日の本田の頭の中にあった1つのテーマは「緩急」。それはそのまま、大事なイラク戦につながる攻撃を意味する。この日は疲労感と蒸し暑い気候からか、選手同士の距離感が悪くリズムが出なかった。「(常に)オレがスタートやったから」。こう振り返ったように、起点が本田しかなく、チームの攻撃は多様性を欠いた。意識的にミドル弾を多用した本田のシュート数が6本とチーム最多だったことも、これを裏付けている。
イラク戦まで日はない。舞台はこの日の新潟より暑いであろう埼玉。劇的なコンディションの改善は望めない。だからこそ、本田がタクトを振るって演出する「速攻」と「遅攻」で、相手に揺さぶりをかける=(イコール)「緩急」。これが実戦の中で得た、イラク戦への“手応え”だ。それを証明するように、戦術的な質問には「正直しゃべりたくない。次の試合の駆け引きは始まっている」とコメントした。
試合後でも素通りすることの多い取材エリアで「短めにお願いします」といいつつ5分近く話した。話題は、直近のイラク戦だけでなく、その先にある代表の未来像にまで及んだ。最終ラインの顔ぶれも確定せず、イラク戦に向けて不安を残すザックジャパン。そんな中で、道しるべになるのは背番号4、この男しかいない。【八反誠】

