日本代表に初選出された神戸MF森岡亮太(23)が、アギーレジャパンのエース番号を背負う可能性が出てきた。1日から札幌市内で始まった代表合宿に合流。新生日本代表の初陣となる5日ウルグアイ戦で、背番号10を与えられる可能性が浮上した。W杯で10番を付けたMF香川が今合宿は不在。若きトップ下候補生が、18年ロシアW杯に向けて大きな期待を受けた。

 秋風が吹く北の大地。代表に初合流した新顔の森岡が、気持ちよさそうにランニングをこなした。どこまでも続く、透き通った青空は、まるで明るい未来を映し出しているようだ。各世代を通じても、日の丸とは無縁。そんな無印男が、アギーレ監督から大きな期待を受けていることが判明した。新生日本の初陣となるウルグアイ戦で、背番号10を与えられる可能性が浮上した。

 W杯ブラジル大会で10番を背負ったMF香川が、ドルトムント移籍の準備などのために今合宿は不在だ。代役として、今合宿限定でエース番号を付けることになりそうだ。所属の神戸では昨季、W杯日本代表のFW大久保嘉人が川崎Fに移籍する際に10番を譲り受けた。クラブで大久保から受け継ぎ、代表では香川から番号を借りることになる。

 「まずは、自分の置かれている現状を把握したいです。代表は日本の1番のトップレベル。そこで自分がどれくらいできて、何ができないのかがこの合宿で明確になる。それをハッキリと知りたいですね」

 人柄は生真面目で優しい。公立校である京都・久御山高から10年に神戸入り。スポットライトを浴びたことはない。札幌入りしたこの日も宿舎ホテルに大勢の人が集まっているだけで驚いた。「ガードマンがたくさんいて、スゲーって思った」。安眠するために枕まで持参。千載一遇のチャンスをものにするために、徹底的に体調管理には気を配る。

 それでも、生き残りは簡単ではない。生粋の司令塔である森岡は、今日2日から合流するMF本田や香川らとの定位置争いになる。

 「スルーパスもそうですし、攻撃的な部分を見せたい。監督がどういうコンセプトなのかにもよりますけれど、自分らしさを出す」

 18年W杯ロシア大会は、脂の乗った27歳で迎える。新生日本の司令塔候補。代表デビュー戦で、必ず10番の期待に応える。【益子浩一】